新型コロナウィルス感染症関連の労災請求件数、認定件数

厚生労働省は、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」の「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」の「7.労災補償」の参考資料として、「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等」、 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る労災認定事例」を公表しています。請求件数等については随時更新されています。
(「Q&A(企業の方向け)」「7.労災補償」)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q7-1

○請求件数等
 令和2年7月22日18時現在で、請求件数775 (うち死亡10)、決定件数227(同1)。
「医療従事者等(社会保険・社会福祉・介護事業等含む)」、「医療従事者等以外」、「海外出張者」別では
 請求件数:医療等653 (死亡1)、医療等以外115 (同8)、海外主張7 (同1)
 決定件数:医療等196 (死亡0)、医療等以外 26 (同0)、海外主張5 (同1)
 
○労災認定事例
 医療従事者等については、「業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災保険給付の対象となる」という考え方に基づく4事例(医師、看護師、介護職員、理学療法士)、医療従事者等以外については、「感染経路が特定された場合」として、「感染源が業務に内在していることが明らかな場合は、労災保険給付の対象となる」という考え方に基づく2事例(飲食店店員、建設作業員)を紹介しています。
<医療従事者等>
事例1)医師
医師が診察した患者に発熱等の症状がみられ、その患者は後日新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。その後、A医師は発熱等の症状が出現し、濃厚接触者としてPCR検査を行ったところ、新型コロナウイルス感染陽性と判定された。調査の結果、B医師は、業務外で感染したことが明らかではなかったことから、支給決定された。
事例2)看護師
看護師は、日々多数の患者に対し、問診、採血等の看護業務に従事していたところ、頭痛、発熱等の症状が続き、PCR検査で新型コロナウイルス感染陽性と判定された。調査の結果、看護師は、業務外で感染したことが明らかではなかったことから、支給決定された。
事例 3)介護職員
護職員のCさんは、訪問介護利用者宅で介護業務に従事していたところ、利用者に新型コロナウイルス感染が確認されたため、濃厚接触者としてPCR検査を受けた結果、新型コロナウイルス感染陽性と判定された。調査の結果、Cさんは、業務外で感染したことが明らかではなかったことから、支給決定された。
事例 4)理学療法士
理学療法士は、病院のリハビリテーション科で業務に従事していたところ、院内で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生し、複数の医師の感染が確認された。それらの医師と接触歴があったD理学療法士にも、咳、発熱等の症状が出現し、PCR検査で新型コロナウイルス感染陽性と判定された。調査の結果、D理学療法士は、業務外で感染したことが明らかではなかったことから、支給決定された。
<医療従事者等以外>
事例5)飲食店店員
飲食店店員のEさんは、店内での業務に従事していたが、新型コロナウイルス感染者が店舗に来店していたことが確認されたことから、PCR検査を受けたところ新型コロナウイルス感染陽性と判定された。Eさん以外にも同時期に複数の同僚労働者の感染が確認され、クラスターが発生したと認められた。
以上の経過から、Eさんは新型コロナウイルスに感染しており、感染経路が特定され、感染源が業務に内在していたことが明らかであると判断されたことから、支給決定された。
事例6)建設作業員
設作業員のFさんは、勤務中、同僚労働者と作業車に同乗していたところ、後日、作業車に同乗した同僚が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。Fさんはその後体調不良となり、PCR検査を受けたところ新型コロナウイルス感染陽性と判定された。Fさんについては当該同僚以外の感染者との接触は確認されなかった。
以上の経過から、Fさんは新型コロナウイルスに感染しており、感染経路が特定され、感染源が業務に内在していたことが明らかであると判断されたことから、支給決定された。